兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

「あなた、余計なことしゃべってないで着替えてきたら？

早くしないと、ご飯冷めるわよ」



冷たく言ったお母さんに、お父さんはドーナツを手に持ったまま顔をしかめた。



せっかくドーナツを買ってきてくれたお父さんが可哀想で、私は席を立った。



「お父さん、ありがとう。
後で、一緒に食べよう」



「父さんの味方は、美衣だけだな……」



お父さんは困った顔で、私にドーナツの箱を手渡した。