兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
その次の日、お母さんはパートに行く予定だった。



パートがある日は、お母さんの代わりに私がみんなの朝食を用意している。



朝食を作ろうとリビングに下りると、いつもならもうパートに行ってる時間なのに、キッチンにお母さんが立っていた。



「お母さん、どうしたの?
まだ仕事行かなくていいの?」



「美衣、おはよう。
お母さん、パートは辞めることにしたから」



「えっ……なんで……?」



「もうそんなに若くないし、立ち仕事は辛くて……
そろそろ辞めようと思ってたのよ」



「お母さん、本当に……?」



「ええ、お母さん腰が弱いからね」



「そっか……無理しないでね」



お母さんに仕事を奪われた私は、やることがなくなってしまった。



「じゃあ、そろそろお兄ちゃん起こしてくるね」



階段を上ろうとした私を、お母さんは引きとめた。



「お兄ちゃんは、お母さんが起こしてくるから……
美衣は、目玉焼き見てて」



「わかった」
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