兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
お兄ちゃんは、夜遅くまで戻ってこなかった。



お兄ちゃんに、恋人として見てもらえなくてもいい。



昔みたいに、お兄ちゃんと仲がいい妹に戻りたかった。



子どもの頃、クリスマスイブはサンタさんが来るのを待って、ワクワクしながら眠りについていた。



今の私に、サンタさんなんて来ない。



例えサンタさんがいたとしても、私が一番ほしいものは持ってきてくれない。



そういえば……

私がサンタさんに書いた手紙は、どこに行ってしまったんだろう。



一番ほしいものを書いた雪の結晶が描かれた手紙は、どこかへ消えてしまった。



私は、一番ほしいものを思い浮かべながら眠りについた。
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