兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「そっか……何でもないよ……」



私はその袋を背中に隠して、階段を上ろうとした。



ちょうどお兄ちゃんが階段から下りてきた。



「お兄ちゃん、おはよう。
朝ご飯、パンでいい?」



「いや、いらない……
外で食べながら勉強してくる」



お兄ちゃんは、お母さんにそう答えて家を出ていってしまった。



私は、お兄ちゃんに『ありがとう』と言うこともできなかった。
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