兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「母さん、その服まだ着られたんだな」
よそいきを着たお父さんが、二階から下りてきた。
「それ、どういう意味……?
若い頃と体型が変わったって言いたいの?」
「いやいや……
昔と変わらず、綺麗だよ」
「そんなこと思ってないでしょ?」
お父さんとお母さんのやりとりが面白くて笑ってしまった。
「お昼用意してないから、これでお兄ちゃんとおいしいものでも食べてらっしゃい。
夕飯までには帰ってくるから」
お母さんはテーブルの上にお札を一枚ポンと置いて、お父さんと腕を組んで行ってしまった。
「いってらっしゃい……」
私は新婚に戻ったような二人を見送ってから、テーブルに置かれた一万円札を拾い上げた。
これ、どうしたらいいんだろ……
この家に、お兄ちゃんと二人きりになってしまった。
私は一万円札を握って、お兄ちゃんの部屋をノックした。
よそいきを着たお父さんが、二階から下りてきた。
「それ、どういう意味……?
若い頃と体型が変わったって言いたいの?」
「いやいや……
昔と変わらず、綺麗だよ」
「そんなこと思ってないでしょ?」
お父さんとお母さんのやりとりが面白くて笑ってしまった。
「お昼用意してないから、これでお兄ちゃんとおいしいものでも食べてらっしゃい。
夕飯までには帰ってくるから」
お母さんはテーブルの上にお札を一枚ポンと置いて、お父さんと腕を組んで行ってしまった。
「いってらっしゃい……」
私は新婚に戻ったような二人を見送ってから、テーブルに置かれた一万円札を拾い上げた。
これ、どうしたらいいんだろ……
この家に、お兄ちゃんと二人きりになってしまった。
私は一万円札を握って、お兄ちゃんの部屋をノックした。