兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「少々お待ちください」



店員さんは、笑顔でショーケースを開いた。



「こちら、人気の商品になっております」



女性用はピンクゴールド、男性用はシルバーのペアのネックレスが、ショーケースの上に置かれた。



長方形のペンダントトップには、『Forever』と英語の文字が刻まれている。



「この二つを組み合わせると、ハートができるんですよ」



店員さんがシルバーとピンクゴールドのペンダントトップを並べると、ハートが浮かびあがった。



すごく綺麗だ。



だけど、お兄ちゃんに買ってもらうような品物じゃない。



「美衣、つけてみろよ」



店員さんが、私にそのネックレスをつけてくれた。



鏡に映る自分の胸元には、ピンクゴールドのペンダントが輝いていた。
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