兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「ただいま……」



「あら、お兄ちゃん、おかえりなさい。
今日は遅かったわね」



母親は、美衣がこの家に来た日から、俺のことを『お兄ちゃん』と呼んでいる。



「自習室で勉強してた……」



「珍しいわね。お兄ちゃん、えらいじゃない。
もう受験生だものね。

新倉君は、ジュースとお茶どっちがいいかしら?」



いつも食事の時、父親が座っている席に、うちの高校の制服を着た男が座っていた。
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