兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
食卓に重い空気が流れる。



うちの母は、昔から何でもズケズケ聞きすぎるタイプだ。



「……それで、お父さんはご飯どうしてるの?」



「いつも仕事帰りにコンビニ弁当買ってきてます。
俺も料理できたらいいんですけど……」



母親は娘と同じ年齢の男をかわいそうに思ったのか、複雑な顔でうなずいて席を立った。



「よかったら、お父さんにも持っていって。
美衣、気合い入れて作りすぎちゃったのよ」



「すみません……助かります」



タッパを持って歩く母に、新倉は申し訳なさそうに頭を下げた。
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