兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「俺のことも誠也(セイヤ)でいいよ」



手をつないで、下の名前で呼び合うなんて、すっかり恋人どうしになった気分だ。



「なんか、恥ずかしいな……」



「美衣って、可愛いね」



恥ずかしくなってうつむく私の手を、誠也は強く握った。



「美衣、見て……」



緊張しすぎた私は、誠也以外のものがよく見えてなかった。
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