兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「じゃ、お友達からってお付き合いしてみようかな」



あいつは、語尾にハートマークがつきそうなくらい浮かれた声を出していた。



「美衣も、もう高校生だしね。
今度、新倉君家に連れていらっしゃい。
お母さんも会ってみたいわ」



「うん、今度連れてくるね。
どうしよ……晩御飯一緒に食べてもいい?」



「たいしたご馳走はできないけど……いいわよ」



「じゃあ、今から電話してくる!」



母と娘で、勝手に盛り上がってんじゃねえよ……

リビングに戻って馬鹿な妹を止めようかと思ったが、俺は風呂に入って、頭を冷やすことにした。
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