兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
あいつが、他の男のものになると考えたことはなかった。



美衣が実の両親を亡くしてこの家に引き取られた時、あいつはまだ三歳だった。



その時、五歳だった俺は、あいつが初めてこの家に来た日のことをよく覚えているが……



幼かったあいつは、その日のことを覚えていないだろう。



俺を実の兄と信じて疑わないあいつは、血のつながらない妹だった。
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