兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
私のパパとママが亡くなったのは、たぶん12月だと思う。



パパとママが突然いなくなったあの日、3歳だった私はいつも通り保育園に行っていた。



保育園の廊下にはクリスマスツリーが飾られ、クラスの壁にはみんなで作ったサンタさんやトナカイの工作が貼ってあった。



その日は大雪で、窓の外を見るとシンシンと雪が降り続けていて、園庭には地面がすっかり見えなくなるくらい雪が積もっていた。



いつも仕事が終わるとママが迎えに来てくれるのに、その日はいつまで経ってもママは来なかった。



お友達がみんな帰って独りぼっちになった私は、先生とクリスマスツリーを触ったり、窓の外に降り積もる雪を眺めたりしてママが来るのを待っていた。
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