兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
『遅くなって、すみません……』



ずいぶん待ってから現れたのは、ママじゃなくて、隣の県に住む里ばあちゃんだった。



『どうして、おばあちゃんきたの?
ママは……?』



不思議そうに見上げた私を、おばあちゃんは何も言わずに抱きしめた。



何が悲しいのか幼い私にはわからなかったけれど、おばあちゃんは私を胸に抱きしめて泣いていた。
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