兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
あの時、まだ3歳だった私は、辛く悲しい記憶しか残ってない。



棺に眠るパパとママの隣で無邪気に遊んでいたことや、そのうち帰ってくると思っていたパパとママがいなくなったことに気づいて泣いていた記憶しかない。



パパとママに愛されていた幸せな日々は、もう思い出せなくなってしまった。



そんな昔のことを振り返っていたら、いつの間にかお焼香の順番が回ってきていた。



立ち上がった瞬間、目の前が真っ白になった。



私は、その場に崩れ落ちた。
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