兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「美衣が何もしてあげられないなんてことない。

美衣がこうして生きて、笑ってるだけでいいんだよ」



今まで我慢してきた涙が、どんどん溢れていく。



「ごめんね。
誠也辛い時に、なぐさめてもらって……」



「いや……俺も、美衣がいてくれてよかった。
もう少しだけ、こうしていていいかな?」



耳元でささやく誠也に、私は小さくうなずいた。



私を強く抱きしめる誠也に、私はそっと体を預けた。
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