兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「お兄ちゃん、シャワーあいたよ」



「俺、一晩漫画喫茶行ってくる……
お前は一人で寝てろ」



「なんで……?」



「こんな狭い部屋で、二人で寝れるかよ」



俺は鞄を肩にかけて、ドアノブに手をかけた。



「待って、お兄ちゃん。
部屋間違えたくらいで、そんなに怒らなくたっていいじゃん」



「どう考えても、これビジネス用のシングル利用の部屋だぞ。お前、安いものには裏があるとか考えねぇのかよ」



「だって、わからなかったんだもん……
お兄ちゃん行っちゃったら、寂しいよ」



美衣は泣きそうな顔で、うつむいた。
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