兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
しばらく経ってから、あいつは口を開いた。



「お兄ちゃん、まだ怒ってるの……?」



あいつは、遠慮がちに聞いてきた。



「部屋間違えちゃって……ごめんなさい」



「俺は、別に怒ってねぇよ……」



俺は、あいつに背を向けて床に寝転んだまま答えた。



「じゃあ、どうしてこっち来てくれないの?
お兄ちゃん、一緒に寝ようよ」



俺は、何と返事すればいいのかわからなかった。



あいつを傷つけるようなことは言いたくない。



俺は寝たフリをして、美衣の質問には答えなかった。
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