にじいろしぐれ
「晴。」
はっ、私!
久しぶりに見た世界の色があまりにも綺麗で時間を忘れてずっと眺めていた
綺月さんはおいでと手招きしている
「わ、私、ごめんなさい。すごく長い時間お待たせしてしまって...」
お、怒ってるかな...
「ふふ、楽しかった?」
「...?はい、ものすごく楽しかったです。」
「そう、なら良かった。じゃあ、そろそろ行こうか」
そう言って綺月さんは私に手を差し出してくる
私はこの手を握ってもいいのだろうか
この手を握ったら全てが終わってしまうような気がして私は手を出すことが出来ない
「晴?」
綺月さんが不思議そうにこちらを見ている
もういっそ握ってしまおうか?
だめだ、綺月さんが消えてしまうかもしれない
でも握らなかったら?
私どうすれば...
「はぁ...。」
...?
綺月の尾がまたイライラと揺れ始める
えっ...私また何かしたの!?
「晴、どうせまた『この手を握ったら綺月さんが消えちゃうかも』とか『でも握らなかったら?』とか1人で考えてるんでしょ?」
うっ...図星すぎて返す言葉が見つからない
「晴、俺言ったよね?これは契約だって。俺は逃げも隠れもしないしこれは夢じゃないよ?ちゃんと現実だから。ほんとに晴って思いこみすぎというかなんというか...」
「うっ...」
「ほら!握って!俺消えないから!」
私は綺月さんの圧力に圧倒され恐る恐る手を出して彼の手を握った
「ほらね?大丈夫でしょ?」
「は、はい」
「ん、よくできました。」
そう言って彼は私の頭に手を置きポンポンと頭を撫でてくれた
「あ、あと」
「はい?」
「ほらそれ、敬語やめてよ」
「えっ、でもそれは...」
さすがに...ね?
「いいから、敬語は禁止ね。あと呼び捨てでいいから。」
よ、呼び捨て!?
綺月...無理無理!恥ずかしい!
「分かった?」
うっ...これは従わなかったら...
「分かったの?」
うわ...イライラしていらっしゃる...
うっ...もうどうにでもなれ!
「綺月!これでいいでしょ!満足!?」
「ふふ、よくできました」
この人...意地悪!
意地悪狐!
ふーんだっ!
私は心の中で精一杯の悪態をつく
「ふふ、じゃあ行こっか?」
うっ...
そう思ってたのに笑った顔を見た瞬間また心臓がどくどくと音を立てる
すぐに私の機嫌を良くしてしまうんだからやっぱり綺月はすごい。
「うん。行こ、」
綺月に手を引かれて歩き出す
やっぱりこの人の手は暖かい
彼の顔を盗み見ながら私は足を進めた
はっ、私!
久しぶりに見た世界の色があまりにも綺麗で時間を忘れてずっと眺めていた
綺月さんはおいでと手招きしている
「わ、私、ごめんなさい。すごく長い時間お待たせしてしまって...」
お、怒ってるかな...
「ふふ、楽しかった?」
「...?はい、ものすごく楽しかったです。」
「そう、なら良かった。じゃあ、そろそろ行こうか」
そう言って綺月さんは私に手を差し出してくる
私はこの手を握ってもいいのだろうか
この手を握ったら全てが終わってしまうような気がして私は手を出すことが出来ない
「晴?」
綺月さんが不思議そうにこちらを見ている
もういっそ握ってしまおうか?
だめだ、綺月さんが消えてしまうかもしれない
でも握らなかったら?
私どうすれば...
「はぁ...。」
...?
綺月の尾がまたイライラと揺れ始める
えっ...私また何かしたの!?
「晴、どうせまた『この手を握ったら綺月さんが消えちゃうかも』とか『でも握らなかったら?』とか1人で考えてるんでしょ?」
うっ...図星すぎて返す言葉が見つからない
「晴、俺言ったよね?これは契約だって。俺は逃げも隠れもしないしこれは夢じゃないよ?ちゃんと現実だから。ほんとに晴って思いこみすぎというかなんというか...」
「うっ...」
「ほら!握って!俺消えないから!」
私は綺月さんの圧力に圧倒され恐る恐る手を出して彼の手を握った
「ほらね?大丈夫でしょ?」
「は、はい」
「ん、よくできました。」
そう言って彼は私の頭に手を置きポンポンと頭を撫でてくれた
「あ、あと」
「はい?」
「ほらそれ、敬語やめてよ」
「えっ、でもそれは...」
さすがに...ね?
「いいから、敬語は禁止ね。あと呼び捨てでいいから。」
よ、呼び捨て!?
綺月...無理無理!恥ずかしい!
「分かった?」
うっ...これは従わなかったら...
「分かったの?」
うわ...イライラしていらっしゃる...
うっ...もうどうにでもなれ!
「綺月!これでいいでしょ!満足!?」
「ふふ、よくできました」
この人...意地悪!
意地悪狐!
ふーんだっ!
私は心の中で精一杯の悪態をつく
「ふふ、じゃあ行こっか?」
うっ...
そう思ってたのに笑った顔を見た瞬間また心臓がどくどくと音を立てる
すぐに私の機嫌を良くしてしまうんだからやっぱり綺月はすごい。
「うん。行こ、」
綺月に手を引かれて歩き出す
やっぱりこの人の手は暖かい
彼の顔を盗み見ながら私は足を進めた