青藍─Seiran─




 案内された白い自動車には、鎌堂が当たり前のように助手席に座ったため、俺と鮎原さんは二人後部座席に座り、間もなく車は発車した。

 都市のU街では電車や地下鉄通勤で、今もAデパートまで徒歩通勤のため、俺は自分の車を持っておらずペーパーでもあり、こうしてスムーズに運転できている驛さんを尊敬してしまう。

「へぇー、驛ちゃんってこんな曲聴くんだぁ」

「これはラジオだよ」

「あ、そなんだ、なんだよもー」

 驛さんは苺狩りのできるハウスを目指して、車を南に走らせながらも、鎌堂と会話をしている。


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