青藍─Seiran─





 そして一体何を考えていたのかを伝えられたのは、食事を終えて会計を済ませ、車に乗った所でだった。

「鮎原さんは……俺のどこが良くてあんな態度取ってるんだろ」

 考えても全く分からないらしい一君は、じっと私の方を見てきた。

 薄暗い夕暮れ、すぐ近くで黒い瞳が真っすぐ私の方を見ており、私の心は静かにドキドキ音を立てる。そりゃ、ドキドキは……する。

「鮎ちゃん、一君と会ってピンときたって言ってたよ」

「ピン、と?」





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