青藍─Seiran─
第五章 『後半、腕、戸惑い』
~一大地~
「おー、来た来た。仕事終わり悪かったな」
今日は早番で夕方早めに仕事を終えると、俺は鎌堂に誘われアパート近くの喫茶店に来ていた。
飲食店じゃないのは、夕飯を一緒に食べるつもりではないのだろうか。
しかし、いざ奥に見えた鎌堂に近付くと、鎌堂の手前の席に髪の長い女性の後姿が見える。
誰だと思って席まで行くと、そこには俺を見て微笑む鮎原さん。