青藍─Seiran─
どうしてこのようなことを早々に述べるかというと、俺は相手の考えていること瞬時に感じ取れてしまう、というような不思議な現象に長年頭を悩ませており、この手の論文を読み漁って少し詳しくなったからである。
触れた相手のことが分かってしまう現象に陥ったのはもう幼少期の頃であり、俺は何でもないように相手の考えていることを言い当て、その度に幼稚園児達にはすごい、と驚かれた。
当時世間でブームが起こっていた超能力だ、と俺はこの力を自分で少し誇りに思っていた。