青藍─Seiran─





 聞くと、鮎原さんは今日振休のため、ここまで来てくれたらしい。

「ねぇ一君、私のこと苦手だって思ってない?」

「……それは」

 違う、とハッキリ言って嘘をつけずに言葉を選んでいると、鮎原さんは珍しく眉を下げて苦笑いをした。

「タイプじゃないか」

「……タイプも何もないかな」

「じゃあ、仁菜と私だったらどっちが好き?」




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