青藍─Seiran─





 また困った質問をされ、俺は沈黙の末、本音を答えることができなかった。

「どっちって、どっちも友達だから」

「友達ねぇ、そうよねぇ。でも、仁菜とはたまに会ってるんだって?」

「たまに仕事帰りのタイミングが合った時は、外で夕飯食べてるよ」

「距離が近くていいね」

 羨ましい、と鮎原さんは言うが、本当に羨ましがられるような自分ではないのに、徐々に申し訳なさも感じ始める。




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