青藍─Seiran─





~驛仁菜~

 まだまだ冷える二月後半、私は手をすり合わせながら待ち合わせ場所のA街の駅のモニュメント前で鎌堂君を待っていた。

 単刀直入に言うと、私はこの日デートに誘われた。

 鎌堂君とのことを前向きに考えようと思っていため、誘いを断ることなく、こうして二人で会うことを決意したのだが──

「驛ちゃん遅れてごめん。あぁ、二十分も待たせてしまって」

「いいよ。走って来たから、汗かいてる」

「俺、少し時間にルーズな所があって……って、不利なことを自分で言う必要ないか」




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