青藍─Seiran─





 しかし、時刻ギリギリに館内に入るとチケットはまさかの完売であり、この映画は大ヒット作品で、夕方遅くの時刻まで売り切れ状態らしい。

「ごめんな、俺が遅れてしまったせいで」

「ううん、普通に会っててももう売り切れたと思うよ」

 フォローを入れると申し訳なさそうに頭を下げられ、私と鎌堂君は再び手を繋いで街を歩く。

 都市程栄えてはいないものの、田舎過ぎもしないこのI街は過ごしやすく、今の所私がI街を離れる予定はない。




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