青藍─Seiran─




「仁菜は前に進んでいるし、鎌堂君も仁菜が付き合うまで頑張ってみるって。私も一君のことを振り向かせたいと思ってる。でも、一君は何も変わらない」

 鮎原さんはメニュー表を手に持ったまま、じっと俺を見ている。

「一君、いい加減本気で私のこと見てくれない? いつまで経っても、一君変わってくれないから」

「……鮎原さんが言う通り、ずっと変われてなかったよ。でも……俺も最近変化があった」

「何?」

「俺、今好きな人がいる」



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