青藍─Seiran─
「せっかく会ったし、一緒に夕飯食べない?」
「……ごめん、今日はちょっと。用事があって」
いつもの流れで誘ってみるとすぐに断られて、驛さんはペコペコ頭を下げながら俺の前から去って行った。
どうかした……? あからさま過ぎる余所余所しい態度に違和感を覚え、俺は自分の足元に視線を落とす。
驛さんは多分俺のことを良く思ってくれていて、鮎原さんにも鎌堂の告白を断って、好きな人がいると言った。
でもそこで俺の名前は出さずに、こうやって変な態度を取られてしまった。
どういうことだ……。