青藍─Seiran─




「昨日鎌堂と会ったんだけど、皆でどこか出かけたいって。新婚の山岡は来れるか分からないけど」

「……そうなんだ」

「またグループの方に連絡来ると思うから、驛さんも行こう」

「うん……皆となら」

 ──って、まるでこれじゃあ、一君と二人なら嫌だって言っているようなもので、ハッとして取り繕うとしたが、一君は私の方を見ていて言葉に詰まった。

「……えっと」

「じゃあ、俺仕事に戻るから。またね」

 幸いにも一君はサラッと言って奥に消えていき、何とかこの場を乗り切ったことにホッとした。



< 346 / 468 >

この作品をシェア

pagetop