青藍─Seiran─
最終章 『5月、君に、伝える』
~一大地~
このまま驛さんは自分から離れて行って、俺はまた幼少期と同じ経験を繰り返すのか……でも、自分から事実を伝えられたことにもきっと意味があるし、伝えてもいいと思える人が現れただけでも良かったのか? などと、無理やりポジティブ思考に切り替えようとしたが、結果は無理だった。
好きな人に嫌われてしまうとは、こんなに辛いものなのか。今まで恋愛の“れ”の字も出ないくらい興味も縁もなかったからこそ、情けないくらい思っているよりダメージも大きかった。
そんな中突然驛さんから連絡が来た時、俺は仕事を終えデパートを出た所で、驛さんは今からここに来ると言う。