青藍─Seiran─
そうか、そういうことか。
一人納得しながら靴先を見ていると、どこからか急いで走ってくるような足音が聞こえて我に返り、ハッと顔を上げると、道を挟んだ向こう側から驛さんが走って横断歩道を渡って来た。
「ごっ……ごめん、待たせちゃったね」
帰る時はまだ若干が日が出ていた空ももう暗く、驛さんははぁ、はぁ、と息を乱しながら俺の隣に腰かける。
「急がせちゃったね、ごめん」
「ど……どうして一君が謝るの。待ってるの長かったよね」