青藍─Seiran─




「……えっと……話って。何かあった?」

「うん、これ」

 驛さんは俺には見えない方に置いていたらしい、小さな紙袋を手渡してきた。

「……誕生日プレゼントなんだけれど……鮎ちゃんと今日選んだの。……でも、一週間前だよね」

「え、ありがとう。……わざわざ持って来てくれたの? 開けていい?」

 頷く驛さんを見て、俺は無地の袋から手のひらサイズの小箱を取り出して蓋を開けると、英語のロゴの入ったアイボリーのマグカップが出てきた。



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