青藍─Seiran─




 思いのままにパッと目線を上げると、驛さんの笑顔が待っていてやっぱりあげるよ、とシュークリームの乗った小皿を渡された。

「……ありがとう。驛さんは優しいね」

「えーちょっと待ってー、私だってあげていいって思ってたんだからね? 仁菜がいるから言わなかっただけで」

「鮎原さんも、ありがとう」

 周りがいる中でイチャつくカップルにはなりたくないと思っていたのに、知らず知らずのうちのその要素を振りまいていたら、痛いよな。



< 434 / 468 >

この作品をシェア

pagetop