青藍─Seiran─
「ねぇ一君、海が見えるよ」
海岸沿いに立つ旅館のため、窓からは真夏の光る海が見渡せて、一君も景色を見て嬉しそうな表情をする。
「旅行って、楽しいものなんだね。俺本当に久々だから、この感覚忘れてた」
「いつもの日常と違うのも、たまにはいいよね」
「今日一日過ごして、もうここで帰ってもいいくらい満足だよ」
そんな風に言ってもらえるのは嬉しくて、この日のために二人で色々と計画を練っていて良かった。
「どうよう、ご飯六時からだから……先にお風呂入っておく?」
「ん、そうしようか。露天風呂楽しみだなー」