青藍─Seiran─





「私も……ドキドキしてる。一君のことが、すごく好きだからだと思う……」

 ゆっくり、何度もキスをして、一君は私の着た浴衣の共衿をはだけさせて、胸に手を当てる。ドキドキしているから、心臓の音が伝わりそうだ。というより、今の私の気持ちを、一君は全て読み取っているはず。

「……やば。はっず……」

 月明りでうっすら見える一君は困った表情をしていて──

 ポタリ。



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