青藍─Seiran─
「えっ……一君、出てるっ」
「え?」
「鼻血、出てるよっ」
私ははだけた浴衣のまま起き上がると、テーブルの上の置きティッシュから数枚を抜き取って一君の鼻に当てる。
「うわ……ごめん。こんな大事な時に。驛さん、血、付かなかった……?」
「付いたの浴衣じゃなかったから大丈夫だよ。一君こそ……平気?」
「俺は大丈夫……ごめん」
「いいよいいよ。一旦落ち着こう」
申し訳なさそうにする一君だが、女慣れしている人よりずっと良かったし、私は一君の鼻にティッシュを当てる。