青藍─Seiran─




 年を重ねれば重ねる程、この力との付き合い方に対する考え方も変わってきて、俺は人の触れることを躊躇してしまうようになった。

 小学校に入学してすぐ、歓迎遠足にて、六年生の上級生と手を繋いで歩く時、上級生が未だに夜おねしょをしていること、母親のことをママと呼んでいること、あまり知りたくなかったな。

 クラスの皆で手を繋いで輪になり、レクリエーションを楽しむお楽しみ会中、右隣の女の子の好きな人がクラスの担任の先生だったこと、左隣の男の子が数日前にペットの猫を亡くして、本当は今も暗い気持ちであること、俺は知っていた。



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