神に一番近い男Ⅱ

場面が変わり占いの店が映る。
あきら　「今日はすごいですよ。」とソファアでタバコを吸っている。
たかし　「何が」と新聞を読んでいる。
あきら　「今日のお客さんは、今話題のⅠT企業の社長の加藤さんですよ。」
たかし　「おーすごいな、楽しみだな。」
あきら　「はい。」すると「とんとん」とドアを叩く音がする。
あきら　「はい。」とタバコを消しドアを明けに行く。
あきら　「どうぞ、こちらへ。」と席に案内する。
たかしは、野球のボールぐらいの水晶玉が置いてある豪華な机の前に座っている。
たかし　「どうぞお掛けください。」
加藤　「加藤です。お願いします。」
たかし　「私は天才占い師神代たかしです。ⅠT企業の社長さんが悩みなんてあるんですか。」
加藤　「はい、私には19歳になる、のぼると言う一人息子がいまして息子が幼い時に家内を亡くしました。そして、男で一つで育ててきました。毎日仕事が忙しくかまってやれず、今息子は不良グループに入ってしまい、学校にも行かず仕事にも就かず息子の将来が心配で。」
たかし　「わかりました。それでは占いましょう。」たかしは水晶玉に手をかざす。たかしの顔が強張る。
たかし　「息子さんは、他の不良グループと乱闘になり、人を殺してしまい、少年院に送られるでしょう。そして、あなたの財産を全部使い、いずれ会社も乗っ取られてしまうでしよう。」
加藤　「どうすれば、いいのですか。助けてください。」
たかし　「私は天才占い師です。なぜ、私が神に近い男と言われるかわかりますか。」
加藤　「いいえ。」
たかし　「私は人の運命を変えられる。もしあなたが、私に会わなければ、息子さんは少年院に行き、会社は乗っ取られていた。しかし、私があなたの運命を変えましょう。もう大丈夫、心配はいりませんよ。」
加藤　「何でもしますので、お願いします。」
たかし　「それでは、私を養子にしてもらいます。」
加藤　「えー」と驚く。
たかし　「息子さんの兄として家に入れてもらいます。本当に戸籍とかは動かしませんよ
ただ、息子さんにそう言って下さい。」
加藤　「息子は、暴れん坊で納得するかどうか。」