嫌いになれない最低男
ある日 ものすごく暑い日.たっているのも嫌なくらいの猛暑の日.
この話の主人公 大澤 華は いつも以上に元気があり 楽しそうだった.──
「はなー!なんで今日はこんなに早いの!?」
小学生からの親友 川崎 由来 は
朝の七時に部室の前で私を見つけるなり
ものすごく驚いた顔でそう言った.
私は 学校や部活の日などは必ず1番最後に来るほどずっと寝ているような中学生でした.
でもその日だけは どうしても1番最初に来たかった
理由は単純.つい最近仲良くなったばかりの後輩 寺島 陸哉の所属する学校がうちの学校の男子バレー部と練習試合をするからだ.
しかも私たちはその隣のコートでこれまた練習試合.
まだ1度もあったことの無いその男の子を見てみたかったのだ.
(噂では身長175cmの陸哉君.めっちゃ楽しみ!)
最初は他校の友達と会える!そんな感覚だった
でもその一時間後…
どちらのコートも練習試合開始.
女子は最初の試合ではなかったため男子の試合を見ることが出来た.
もちろん顧問にバレないよう点数板の後ろから…
でも…
「え…なにあれ」
一瞬だった.
物凄い勢いで床に叩きつけられたボール.
陸哉だった
陸哉の打ったスパイクが誰の手に触れることも無く
迷いなく床に落ちていき 相手へ1点が入った.
その一瞬で華は恋に落ちた.