俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
髪を乾かし始めた彼の指が、時折そっと頬を掠める。
そのたびに心拍数が上がっていく。
男性に髪を乾かしてもらった経験なんてない。
ましてや相手は今日から夫になった人だなんて。
「せっかく綺麗な髪をしているんだからきちんと手入れをしろ。もったいない」
小言を言う割に、触れる指はどこまでも優しい。
髪を乾かしてもらうのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「はい、終了」
カチッとスイッチをオフにした采斗さんがゆっくりと髪を梳く。
「……ありがとう」
振り返ってお礼を伝えると、妖艶な眼差しの彼と目が合った。
「そのまま寝室に行ってろ。俺もすぐ行く」
「寝室?」
「今日から一緒に寝るって言っただろ?」
堂々と言い切られて、返事に窮する。
「お前の気持ちが俺のものになるまで手は出さない……でも、これは絶対に譲らない」
乾かし終えた髪を掬い上げ、キスを落とす。
その仕草にもう心臓が壊れそうだ。
「イイコで待ってろよ」
ぽん、と私の頭を撫でてリビングを出ていく後ろ姿を直視できない。
「……世の中の新婚さんって、こんなものなの?」
私の質問の答えは誰からも得られそうにない。
そのたびに心拍数が上がっていく。
男性に髪を乾かしてもらった経験なんてない。
ましてや相手は今日から夫になった人だなんて。
「せっかく綺麗な髪をしているんだからきちんと手入れをしろ。もったいない」
小言を言う割に、触れる指はどこまでも優しい。
髪を乾かしてもらうのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「はい、終了」
カチッとスイッチをオフにした采斗さんがゆっくりと髪を梳く。
「……ありがとう」
振り返ってお礼を伝えると、妖艶な眼差しの彼と目が合った。
「そのまま寝室に行ってろ。俺もすぐ行く」
「寝室?」
「今日から一緒に寝るって言っただろ?」
堂々と言い切られて、返事に窮する。
「お前の気持ちが俺のものになるまで手は出さない……でも、これは絶対に譲らない」
乾かし終えた髪を掬い上げ、キスを落とす。
その仕草にもう心臓が壊れそうだ。
「イイコで待ってろよ」
ぽん、と私の頭を撫でてリビングを出ていく後ろ姿を直視できない。
「……世の中の新婚さんって、こんなものなの?」
私の質問の答えは誰からも得られそうにない。