俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「――ああ、すみません。失礼どころか貴重な意見が聞けてとても光栄で。申し遅れましたが私、日野原と申します」
長い指で差し出された一枚の名刺を、反射的に両手で受け取る。
……日野原?
どこか聞き覚えのある名字。
ゆっくり手元の名刺に視線を落とす。
『日野原飲料株式会社 取締役副社長 日野原采斗』
文字を読み取った途端、サーッと身体から血の気がひいていく。
まさかこの人が自分の勤務先の副社長、しかも経営者のひとりだったなんて。
そんな人に私はなんて話を……!
「す、すみません。まさか日野原飲料の方とは存じ上げず……!」
「気になさらないでください。素直な感想をいただけて大変有難いです。ちなみに私はストレートティーも好きですが、フレーバーティーが最近は気に入っています。それで……」
ふと言葉を切った彼が、私の手の中にある名刺を取り上げた。
スーツの内側から取り出したペンで、なにかをささっと書き入れる。
「プライベート用の連絡先です。あなたに大変興味を持ちました。連絡先を教えてください」
切れ長の目が優しく細められる。
出会った時の硬質な雰囲気が一気に霧散する。
興味?
「あの、どういう意味ですか?」
「言葉通りですよ。連絡先を伝えようとしたら、いきなり走り出す。先ほどの女性との件を他言しないようお願いするために誘えば、目の前の私より飲料に夢中になる。あなたのような女性に初めて出会いました」
長い指で差し出された一枚の名刺を、反射的に両手で受け取る。
……日野原?
どこか聞き覚えのある名字。
ゆっくり手元の名刺に視線を落とす。
『日野原飲料株式会社 取締役副社長 日野原采斗』
文字を読み取った途端、サーッと身体から血の気がひいていく。
まさかこの人が自分の勤務先の副社長、しかも経営者のひとりだったなんて。
そんな人に私はなんて話を……!
「す、すみません。まさか日野原飲料の方とは存じ上げず……!」
「気になさらないでください。素直な感想をいただけて大変有難いです。ちなみに私はストレートティーも好きですが、フレーバーティーが最近は気に入っています。それで……」
ふと言葉を切った彼が、私の手の中にある名刺を取り上げた。
スーツの内側から取り出したペンで、なにかをささっと書き入れる。
「プライベート用の連絡先です。あなたに大変興味を持ちました。連絡先を教えてください」
切れ長の目が優しく細められる。
出会った時の硬質な雰囲気が一気に霧散する。
興味?
「あの、どういう意味ですか?」
「言葉通りですよ。連絡先を伝えようとしたら、いきなり走り出す。先ほどの女性との件を他言しないようお願いするために誘えば、目の前の私より飲料に夢中になる。あなたのような女性に初めて出会いました」