俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす～お前は誰にも譲らない～
入籍してから一カ月が経った。

九月に入ってもまだまだ夏の気配は衰える様子を見せない。


その間にもプロジェクトはどんどん進行していた。

如月さんのはっきりした物言いに戸惑う日々は変わらないけれど、ひとつのものを作り上げるやりがいを感じている。


私の企画は改良点こそ多々あるものの、大筋としての採用が決定した。

その話を聞いた時の驚きはとても言葉には表せない。


その後、三つの主軸が決められた。

まずは今回導入する自動販売機にカフェインレスの商品を増やす。

ただし、既存のものをできる限り採用して、大胆な改良を加える。

これまでに馴染みのある商品の新たな試みを幾つも同時期に消費者に印象付けるのが狙いだ。


ふたつ目に一カ月ごとに素材のテーマを決めて変える。

例えば今月がレモンなら家族全員が飲める商品の種類を揃えるようにする。

例えば炭酸飲料、紅茶飲料、清涼水、といった具合に。


三つ目は子どもが利用する際に楽しめる自動販売機の開発。

現在話し合われているのは、自身の写真が購入した飲料のラベルになるというものだ。

事前にスマートフォンなどで撮影した写真を自動販売機に取り込んではどうかと議論が白熱している。
< 129 / 221 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop