俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
自宅マンションに帰り着き、真っ暗な部屋に明かりをともす。

今日はなによりも心に余裕がない。

それに身体もとても重たくてだるい。


緊張していた反動が一気にやってきたのだろうか。

今夜は彼の言葉に甘えて先に休ませてもらおう。


そう決めて、彼にメッセージ送ろうとスマートフォンを手に取る。

あの人はきっと私のメッセージに返信をくれるだろう。

でも会食中の彼の手を煩わせるのも気が引ける。


そうだ、メモを残しておこう。


ダイニングテーブルの上に置いておけばきっと気づいてくれるはず。


「メモ用紙なんてあったかな……」

思えば、この家でメモ用紙を見た記憶がない。

買い物に行く時も私は基本的にリストをスマートフォンに打ち込んでいて、自室にあるのは付箋やレターセットくらいだ。


「この辺りとかにないかな……」

リビングに続く、廊下の壁際に備え付けてある大きな扉を開ける。

この棚の中には収納ケースが幾つかあり、文房具や雑多なものを入れてある。


普段はあまり使わない収納ケースのひとつを開ける。

中身を勝手に詮索するようで気が引けるが、手を差し入れてメモ用紙を探していた時、底の部分に入れられていた書類がふと目に入った。
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