俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「どうして、わかったんですか?」
「副社長を出ようとした時、一瞬あなたの後ろ姿が見えた気がしたの。道木さん、いつも仕事中、ベージュのヘアクリップつけてるでしょ?」
「それだけで、ですか?」
「秘書課の女性は制服じゃなくスーツ姿だし、そもそも役員フロアを訪れる女性社員は限られているでしょ」
あっさり種明かしをされる。
「どうして逃げたの? いい機会なんだし、あの場ではっきり文句を言えばよかったのよ。本当にひどい話だわ。期間限定の結婚だなんて、意味がわからない」
「そう、ですよね。すみません、でももう解消しますから」
「なんで解消するの?」
「そうしないとおふたりは結婚できませんよね? 大丈夫です。仕事も辞めるつもりですから」
「……ちょっと待って。道木さん、あなたなにか大きな誤解をしていない?」
額に細い指をあてて、訝しむように上司が問いかける。
「もしかして、副社長と私が想いあっているとか思ってる?」
「大丈夫です。その件は口外しません」
「違う、違うわよ!」
如月さんにしては珍しく焦った口調で否定される。
「嘘でしょ、ありえないわ。私が副社長を好きなわけないじゃない!」
「え?」
今、なんて?
「副社長を出ようとした時、一瞬あなたの後ろ姿が見えた気がしたの。道木さん、いつも仕事中、ベージュのヘアクリップつけてるでしょ?」
「それだけで、ですか?」
「秘書課の女性は制服じゃなくスーツ姿だし、そもそも役員フロアを訪れる女性社員は限られているでしょ」
あっさり種明かしをされる。
「どうして逃げたの? いい機会なんだし、あの場ではっきり文句を言えばよかったのよ。本当にひどい話だわ。期間限定の結婚だなんて、意味がわからない」
「そう、ですよね。すみません、でももう解消しますから」
「なんで解消するの?」
「そうしないとおふたりは結婚できませんよね? 大丈夫です。仕事も辞めるつもりですから」
「……ちょっと待って。道木さん、あなたなにか大きな誤解をしていない?」
額に細い指をあてて、訝しむように上司が問いかける。
「もしかして、副社長と私が想いあっているとか思ってる?」
「大丈夫です。その件は口外しません」
「違う、違うわよ!」
如月さんにしては珍しく焦った口調で否定される。
「嘘でしょ、ありえないわ。私が副社長を好きなわけないじゃない!」
「え?」
今、なんて?