俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
呆れたように話す如月さんは嘘をついているようには到底見えない。
じゃあ、本当に?
あの人は如月さんに想いを寄せていないの?
「私はあなたの上司で副社長の友人でなにより女性だからって何度も相談されたのよ。もちろん藤堂副社長もね、だから私たちはずっとあなたたち夫婦の関係を知っていたの」
黙っていてごめんなさいね、と上司は申し訳なさそうに言ってくれた。
私は小さく首を横に振る。
「全然、知りませんでした」
「でしょうね。そのあたりの経緯や副社長の本心は私が口にする話ではないから、道木さんが直接尋ねてみて。副社長をあんな風に振り回せるのはあなただけなのよ」
上司の言葉が凍りついていた心に優しく染み込んでいく。
「私の知る限り、副社長は好意をもたない女性に思わせぶりな態度はとらないし、誤解される発言も絶対になさらないわ。そこは経営者としてきちんとわきまえられている。それになにより、自分が心から大切に想う方に嘘は絶対に吐かれないわ」
『好きだ』
彼の声が聞こえた気がした。
あの人はいつだって真っ直ぐに私を見てくれていたのに。
どうして私はあの人を信じられなかったのだろう。
ほんの少し、勇気を出せばよかった。
彼が大切すぎて、失うのが怖くて大事な一歩を踏み出せなかった。
胸に熱い気持ちが込み上げて、鼻の奥がツンとした。
じゃあ、本当に?
あの人は如月さんに想いを寄せていないの?
「私はあなたの上司で副社長の友人でなにより女性だからって何度も相談されたのよ。もちろん藤堂副社長もね、だから私たちはずっとあなたたち夫婦の関係を知っていたの」
黙っていてごめんなさいね、と上司は申し訳なさそうに言ってくれた。
私は小さく首を横に振る。
「全然、知りませんでした」
「でしょうね。そのあたりの経緯や副社長の本心は私が口にする話ではないから、道木さんが直接尋ねてみて。副社長をあんな風に振り回せるのはあなただけなのよ」
上司の言葉が凍りついていた心に優しく染み込んでいく。
「私の知る限り、副社長は好意をもたない女性に思わせぶりな態度はとらないし、誤解される発言も絶対になさらないわ。そこは経営者としてきちんとわきまえられている。それになにより、自分が心から大切に想う方に嘘は絶対に吐かれないわ」
『好きだ』
彼の声が聞こえた気がした。
あの人はいつだって真っ直ぐに私を見てくれていたのに。
どうして私はあの人を信じられなかったのだろう。
ほんの少し、勇気を出せばよかった。
彼が大切すぎて、失うのが怖くて大事な一歩を踏み出せなかった。
胸に熱い気持ちが込み上げて、鼻の奥がツンとした。