俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「あなたも同じ気持ちじゃないの?」
穏やかな上司の声が胸に痛い。
「道木さんの不安は当然だと思うわ。いきなりのプロポーズに嵐のような結婚、しかも期間限定だなんて言われて戸惑うのは当然よ。その件を最近知って、さっき副社長に進言していたところだったのよ」
「じゃあ、あれは私の話だったんですか?」
「当たり前でしょ。それに藤堂副社長はあなたにずっと興味津々だったのよ。なのにいつまで経っても紹介されないから、プレゼンの日に我慢できずにわざわざ会いに来たのよ」
「でもあの日は副社長に挨拶をとおっしゃって……」
「それはただの口実。あの後、副社長は大変ご立腹だったわ。自分の知らないうちにあなたに接触した藤堂副社長が気に入らなくてね」
その台詞に頬が熱くなる。
耳にするのは今まで知らなかった夫の姿。
そのすべてが新鮮でそしてどこか完璧すぎると思って気後れしていたあの人との距離を近づけてくれる、そんな気さえした。
「結婚発表のネットニュースを読んだでしょ? 副社長は普段取材をすべて断られているのにあのインタビューは受けた、なぜだかわかる?」
「世間に、結婚の発表をするためじゃ」
「そうね、でもそれなら文書での発表も可能よ。でも敢えてそれをされなかったのは、あなたにご自分の想いを間接的にでも伝えたかったからじゃないかしら」
あくまでも私の推測だけど、と如月さんは付け加える。
そう言えば似たような話を親友もしていた。
穏やかな上司の声が胸に痛い。
「道木さんの不安は当然だと思うわ。いきなりのプロポーズに嵐のような結婚、しかも期間限定だなんて言われて戸惑うのは当然よ。その件を最近知って、さっき副社長に進言していたところだったのよ」
「じゃあ、あれは私の話だったんですか?」
「当たり前でしょ。それに藤堂副社長はあなたにずっと興味津々だったのよ。なのにいつまで経っても紹介されないから、プレゼンの日に我慢できずにわざわざ会いに来たのよ」
「でもあの日は副社長に挨拶をとおっしゃって……」
「それはただの口実。あの後、副社長は大変ご立腹だったわ。自分の知らないうちにあなたに接触した藤堂副社長が気に入らなくてね」
その台詞に頬が熱くなる。
耳にするのは今まで知らなかった夫の姿。
そのすべてが新鮮でそしてどこか完璧すぎると思って気後れしていたあの人との距離を近づけてくれる、そんな気さえした。
「結婚発表のネットニュースを読んだでしょ? 副社長は普段取材をすべて断られているのにあのインタビューは受けた、なぜだかわかる?」
「世間に、結婚の発表をするためじゃ」
「そうね、でもそれなら文書での発表も可能よ。でも敢えてそれをされなかったのは、あなたにご自分の想いを間接的にでも伝えたかったからじゃないかしら」
あくまでも私の推測だけど、と如月さんは付け加える。
そう言えば似たような話を親友もしていた。