俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
11.「これから先もずっと俺の妻でいて」
「すみません、私、采斗さんに会いに……」
椅子をひいて立ち上がった瞬間。
「詠菜!」
店のドアが大きく開き、名前を呼ばれた。
「……やっと見つけた……」
ほんの少し震えた、低い声。
カツカツと慌ただしい靴音を響かせて、近づいてくる長身の男性。
怖いくらいに整った面差しには険しい表情が浮かんでいる。
「采斗、さん?」
どうしてここに、と最後まで言えなかった。
グイッと強引に腕をひかれ、大きな胸の中に閉じ込められる。
力強い腕と耳に響く彼の早い鼓動、いつもの香りに混じる汗の匂い。
「無事で、よかった……心配した……」
背中に回された腕が震えているように感じるのは気のせい?
ずっと捜してくれていたの?
そっと見上げた彼の額には汗が滲んでいた。
いつも完璧に着こなしているスーツもどこか乱れている。
「――もとはと言えば副社長のせいですけどね」
淡々とした如月さんの声にハッとする。
「あ、あの采斗さん、離して」
「嫌だ。離したら逃げるだろう?」
ギュッとスーツの胸に身体を強く押し当てられる。
今では慣れてしまった温もりに胸が軋む。
それでもこの状況はさすがに恥ずかしい。
椅子をひいて立ち上がった瞬間。
「詠菜!」
店のドアが大きく開き、名前を呼ばれた。
「……やっと見つけた……」
ほんの少し震えた、低い声。
カツカツと慌ただしい靴音を響かせて、近づいてくる長身の男性。
怖いくらいに整った面差しには険しい表情が浮かんでいる。
「采斗、さん?」
どうしてここに、と最後まで言えなかった。
グイッと強引に腕をひかれ、大きな胸の中に閉じ込められる。
力強い腕と耳に響く彼の早い鼓動、いつもの香りに混じる汗の匂い。
「無事で、よかった……心配した……」
背中に回された腕が震えているように感じるのは気のせい?
ずっと捜してくれていたの?
そっと見上げた彼の額には汗が滲んでいた。
いつも完璧に着こなしているスーツもどこか乱れている。
「――もとはと言えば副社長のせいですけどね」
淡々とした如月さんの声にハッとする。
「あ、あの采斗さん、離して」
「嫌だ。離したら逃げるだろう?」
ギュッとスーツの胸に身体を強く押し当てられる。
今では慣れてしまった温もりに胸が軋む。
それでもこの状況はさすがに恥ずかしい。