俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「何度も申し上げたと思いますが?」
如月さんは夫に氷のように冷たい視線を向ける。
「すまない。弁解の余地はない」
「あ、あの、私が勝手に飛び出したので……」
なにやら不穏なふたりの空気に思わず口を挟む。
「道木さん、あなたもこの際だからしっかり自分の気持ちを伝えるべきよ」
「これからきちんとふたりで話し合う。連絡をくれてありがとう。本当に助かった」
相変わらず私をしっかり胸の中に抱えたまま、彼が如月さんにお礼を伝える。
「如月さん、本当にありがとうございます。ご迷惑をおかけしてしまってすみません」
「気にしないで。次に家出する時は連絡してちょうだい。一緒に食事にでも行きましょう」
「……やめてくれ、心配で俺の心臓がもたない」
采斗さんが私の指に自身の指をしっかり絡めた後、身体を解放する。
「くれぐれも奥様には隠し事を今後はなさらないでくださいね、副社長。次回は味方しませんよ」
「わかってる」
「それじゃ私はお先に失礼します」
如月さんが立ち上がり、会計をしようとするのを采斗さんが引き留める。
「如月、藤堂が外で待ってるぞ」
「は、い?」
「詠菜がいないと連絡したら、あいつも心配して駆けつけてくれたんだ。お前を送ると言ってる。会計はこちらで済ませるから」
困惑した様子で如月さんが店の外に出る。
その背中にもう一度お礼を告げると「お幸せに」と上司は柔らかく頬を緩めた。
如月さんは夫に氷のように冷たい視線を向ける。
「すまない。弁解の余地はない」
「あ、あの、私が勝手に飛び出したので……」
なにやら不穏なふたりの空気に思わず口を挟む。
「道木さん、あなたもこの際だからしっかり自分の気持ちを伝えるべきよ」
「これからきちんとふたりで話し合う。連絡をくれてありがとう。本当に助かった」
相変わらず私をしっかり胸の中に抱えたまま、彼が如月さんにお礼を伝える。
「如月さん、本当にありがとうございます。ご迷惑をおかけしてしまってすみません」
「気にしないで。次に家出する時は連絡してちょうだい。一緒に食事にでも行きましょう」
「……やめてくれ、心配で俺の心臓がもたない」
采斗さんが私の指に自身の指をしっかり絡めた後、身体を解放する。
「くれぐれも奥様には隠し事を今後はなさらないでくださいね、副社長。次回は味方しませんよ」
「わかってる」
「それじゃ私はお先に失礼します」
如月さんが立ち上がり、会計をしようとするのを采斗さんが引き留める。
「如月、藤堂が外で待ってるぞ」
「は、い?」
「詠菜がいないと連絡したら、あいつも心配して駆けつけてくれたんだ。お前を送ると言ってる。会計はこちらで済ませるから」
困惑した様子で如月さんが店の外に出る。
その背中にもう一度お礼を告げると「お幸せに」と上司は柔らかく頬を緩めた。