俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「どうして私ではダメなんですか? 連絡先も教えていただけませんし……」
「あなたとの縁談はすでにお断わりしておりますが」
「でもっ、私と結婚されましたら今後の取引だって……!」
甲高い女性の声が周囲に響く。
縋るような口調には悲痛ささえ感じられる。
「将来の伴侶を選ぶのにそのような駆け引きは不要なので。第一私はあなたにまったく興味がございません」
うわ、辛辣……。
突如聞こえてきた冷淡な声に、会場へ向かう足が止まる。
写真展の終了時刻が迫っている。
急がなくてはいけないのに、すぐそばに佇む一組の男女に注目してしまう。
長身の男性は明らかにその場から離れたがっているが、女性はきつい台詞に顔色を失くして茫然としている。
すれ違いざまに僅かに見えた、男性の美麗な面立ちに視線を奪われる。
男性なのにどこか中性的で人目を惹く極上の容姿。
その美形男性の背後からもうひとり、短髪の男性が現れた。
泣きながら走り去る女性の後をすかさず追い、少し離れた場所からタクシーに乗車させる。
美形男性が大きく息を吐いて、眉間に皺を寄せる。
周囲から、遠目に寄せられる好奇の眼差しを鬱陶しく感じているのがありありと見てとれた。
「あなたとの縁談はすでにお断わりしておりますが」
「でもっ、私と結婚されましたら今後の取引だって……!」
甲高い女性の声が周囲に響く。
縋るような口調には悲痛ささえ感じられる。
「将来の伴侶を選ぶのにそのような駆け引きは不要なので。第一私はあなたにまったく興味がございません」
うわ、辛辣……。
突如聞こえてきた冷淡な声に、会場へ向かう足が止まる。
写真展の終了時刻が迫っている。
急がなくてはいけないのに、すぐそばに佇む一組の男女に注目してしまう。
長身の男性は明らかにその場から離れたがっているが、女性はきつい台詞に顔色を失くして茫然としている。
すれ違いざまに僅かに見えた、男性の美麗な面立ちに視線を奪われる。
男性なのにどこか中性的で人目を惹く極上の容姿。
その美形男性の背後からもうひとり、短髪の男性が現れた。
泣きながら走り去る女性の後をすかさず追い、少し離れた場所からタクシーに乗車させる。
美形男性が大きく息を吐いて、眉間に皺を寄せる。
周囲から、遠目に寄せられる好奇の眼差しを鬱陶しく感じているのがありありと見てとれた。