俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「白紙のままだと約束通り準備してあるとお前に言えないから、名前だけ嫌々書いたんだ。ほかはすべて未記入だ」
言われてみれば、押印もなかった。
でもなんで、そんな真似を?
「誤解させてごめん。……全部きちんと話すから聞いてほしい」
真剣な声で言われて頷く。
それから再び手を取られ、リビングに向かう。
ソファに座る采斗さんの右隣に腰を下ろすと彼が私の顔を覗き込む。
「これだけは最初に言わせてくれ。俺は詠菜を愛している」
――今、なんて?
呼吸が止まった気がした。
驚きで瞬きすらできない。
「俺が愛しているのはお前ひとりだ」
「……う、そ」
声が掠れてうまく話せない。
「嘘じゃない。あの日、傘を貸してくれたお前にひとめ惚れしたんだ」
「それって……最初に出会った時?」
「ああ。なんの下心もなく傘を差しだして、去っていく姿に最初は驚いた。でもどうしてかあの時、お前を追いかけなきゃいけない気がした」
本当はあの日、あのまま帰社する予定だったんだ、とバツが悪そうに告げる。
「自動販売機の前で飲料について目を輝かせながら話すお前が眩しくて、可愛くて。どうしようもなく心が揺さぶられた。どうしても逃がしちゃいけない気がした」
物騒な言われ方なのに、怖くないのはなぜだろう。
この人が全身で真摯な想いを打ち明けてくれているのが伝わるからだろうか。
言われてみれば、押印もなかった。
でもなんで、そんな真似を?
「誤解させてごめん。……全部きちんと話すから聞いてほしい」
真剣な声で言われて頷く。
それから再び手を取られ、リビングに向かう。
ソファに座る采斗さんの右隣に腰を下ろすと彼が私の顔を覗き込む。
「これだけは最初に言わせてくれ。俺は詠菜を愛している」
――今、なんて?
呼吸が止まった気がした。
驚きで瞬きすらできない。
「俺が愛しているのはお前ひとりだ」
「……う、そ」
声が掠れてうまく話せない。
「嘘じゃない。あの日、傘を貸してくれたお前にひとめ惚れしたんだ」
「それって……最初に出会った時?」
「ああ。なんの下心もなく傘を差しだして、去っていく姿に最初は驚いた。でもどうしてかあの時、お前を追いかけなきゃいけない気がした」
本当はあの日、あのまま帰社する予定だったんだ、とバツが悪そうに告げる。
「自動販売機の前で飲料について目を輝かせながら話すお前が眩しくて、可愛くて。どうしようもなく心が揺さぶられた。どうしても逃がしちゃいけない気がした」
物騒な言われ方なのに、怖くないのはなぜだろう。
この人が全身で真摯な想いを打ち明けてくれているのが伝わるからだろうか。